FC2ブログ
2010
08.10

「それは彼女なりの決別の言葉」

真夜中の突発文。


警告
ちょっと猟奇的です。
暴力表現、描写あります。

わたしがこういった行為を好むわけではありません。
推奨するはずもありません。

結局は自己責任。
いろいろとご注意ください。





『どうしてそんな顔するの?』

心底不思議そうに、なのに微笑う彼女が怖かった。

誰よりも一緒に居て、
誰よりも一緒に笑って、
誰よりも、大切な仲間だった彼女が、

今、誰よりも怖い。


足元に転がっているものが、ほんの数分前まで一緒に笑っていた仲間だったなんて、あたしの頭では理解できない。
だってそんなこと、どうして理解できるの。
一緒に笑ってた。
卒業証書の入った筒と花束と。
今日で最後の制服と。
共に過ごした仲間なのに。

どうして彼らが地面に倒れているの。
どうして彼らの腕が、足が、妙な方向に曲がっているの。

どうして彼らは真っ赤な血溜まりの中にいるの。


「どうして」と問う声に彼女はただ笑う。

『何か勘違いしてない?
わたしがいつ、裏切ったの?
わたしがいつ、仲間だと言ったの?
ねぇ、いつ?』

不思議そうに首を傾げて、
その姿はまるで無邪気な子供のよう。

『楽しかったわよ? アナタたちと遊ぶの、とっても楽しかった』

きれいな目をにっこりと細めて。
猫のような金色の目を、
異端なはずのその色を、
ただ眩しいと思ったのはいつだったか。


『でもね、もう「卒業(おしまい)」でしょう?」

『遊び終わった「玩具」は、ちゃんと片付けなきゃ』

『貴女は特に気に入っていたから、最後まで残しておいたのよ』


長く伸びた黒髪を靡かせて、
白い頬に赤い花弁を散らせて、
夕陽を吸ったオレンジ色の目をきらきらと輝かせて、
『いつもの』顔で、
彼女は笑う。

何も違わないと。
彼女は何ひとつ、変わってなどいないと。
ただ、あたしに知らしめるように。


――――彼女が泣きそうに見えたのは、浅はかなあたしの脳が見せた、愚かしい願望。

ごきっ、と鳴った音さえも。
迸った絶叫すら聞こえないかのように。

彼女はただ笑っていただけだった。
いつもの顔で、いつものように、ただやさしく。


『楽しかった時間は、本当にあっという間ね。

 もう少し、アナタタチと遊びたかったわ。


 ―――ほんと、さみしい』


真っ赤に染まっていく世界。
痛みすらもわからないほど熱くて、あつくて。

それが、彼女を見た最後になった。

トラックバックURL
http://gekka131.blog75.fc2.com/tb.php/613-7dce36c1
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top